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SUMMER SONIC 2011その5
とにかくサマーソニックである。
休んでいようが、はしゃいでいようが、家に帰るまでがサマーソニックである。
というわけで、日除け付き、ベンチ付き、風通し良し、なのに人少なめ、という、これが家探しなら迷わずその場で契約交わしてから「え、あれってもしかしたら事故物件やったり?」と後から後から湧いてくる疑念に苛まれて仕事も手につかず、ってぐらいの好条件な休憩物件に潜伏したオレは、現地ではさぞかし爆音であろうKORNをうっすらと耳にしながら一時間余り、グダグダと寝て過ごした。

そんな、ある意味贅沢な時間ののち、復活。
埃と汗を拭い、新しいTシャツに着替えたオレは、再びライブという名の海へと身を投じたのであった……ほんとはライブにダイブした、と書きたかったけど、それほど上手くもなかったのでやめた……でもこうして書いちゃったってことは、やっぱり使いたかったらしい「ライブにダイブ」……ちょっと痛いフレーズである。
痛いとわかってながらも使ってしまうところが愛嬌だと思うのだがいかがか。

あの殺人的な日射しが、ようやく軽傷程度の日射しへと落ち着いてきたころ。
相変わらず抜群の選曲センスで聴かせてくれるSEが途切れ(この日は「There She Goes」も聴けた。ときどき、このままSEでDJしててくれた方が楽しいかも?という邪念がふとよぎるのはオレだけではあるまい)、登場した。

リアム様である。
というかBeady Eyeである。

ようよう日が翳ってきたとはいえ、まだまだファッキン暑さがたゆたう中、リアム様はプリティグリーン2011秋の新作であろうモスグリーンの長袖パーカーで決めてらっしゃる。
マイクに向かって第一声。

「Good Evening」

リアム様、英国紳士なのである。
いきなり「Fuxkin' Guys!」などとヤンキーなセリフは口走らないのである。
などと感心してたら、1曲目がいきなり「Four Letter Word」で、なにこの大喜利的な展開というかオヤジギャグ的なオチの付き方は。
などとどうでもいいことを考えている暇などないのだ。
なぜなら、これがBeady Eyeの(オレにとっては)日本での初ライブであるから…正直、ふと忘れそうになるのだが、Beady Eyeってば新人バンドである。
ヴォーカリストの態度がどれだけ大きかろうと、まだアルバム一枚しか出してない、ぺーぺーの新人バンドなのである。
カエラ姉さん、パフューム姉さん方の足元にも及ばないのである。
なのになんなのだ、この「どや感」。
そして、とっても大事なことだが、リアム様、声が出ている。
1曲目からしっかり声が出ている。
この人は声さえ出ていれば、もう怖い物なしである。
あとはひたすら「どやどや」「どやどや」と押しまくってもらえれば、押される側としては大満足なんだけど。

なんだけど。

なんだけど、あれ?
なんとなく後半(「The Beat Goes On」以降ぐらい)から、ちょっと間延びしてきた感が。
多分ステージ前で大暴れしてたらそれほど気にならなかったかもしれないが、比較的後ろの方のゆったりしたスペースで観ていたオレには、なんというかギリギリと絞ってたら逆にそこから伸びてしまった的な、微妙な間延び感を感じてしまったのである。
もちろんそんなもん個人の受け取り方だから「パフュームのスカートに鼻の下伸ばしてるからだろうが、このオトボケ野郎が!」と罵られても甘んじて受け容れる用意はあるのだが、逆に個人の受け取り方だからもう思った通り書くと、サマソニでのBeady Eye、ちょっと期待を上回ってくれなかった。
オレの期待が例えば90だったとしたら、今回のステージ、後半若干失速して80で着陸、というところか。
うーむ。
カッコ良かったのは文句ないんだけど。
うーむ、そうか。

などと超上から目線でリアム様のステージを見終えるという前代未聞の行動を取ってしまい、こんな態度でいてはそのうち殴られるんじゃないか、と若干ビクビクしながらオアシスに向かう。
おお、Beady Eye観てOasisに行く、というのも微妙っちゃ微妙だが、そんな微妙な場所でツレと合流。
何時間ぶりかの再会で、ようやく脳内一人ボケツッコミも止められる。

「Beady Eye観た?」
「結構前の方におったで。カッコ良かった」
「リアム、声出てたしな」
「出てた出てた。MCもしてたな、ひと言ぐらいやけど」
「何言うてたんか、さーっぱりわからんかったけど」
「おお!すげーな。あんなに訛るもんやねんな英語も!」
「単語一つすらわからんかった」
「まぁでもご機嫌さんみたいやったし」
「良かってんけどさ」

「けどあんなもんなん?ビーディーアイって」
「そやねん!オレもそう思ってん!こんなもんちゃうやろビーディーアイって!」
「前半めっちゃ良かったのに」
「そやねん!前半めっちゃ良かってん!けど後半さー」
「そうそう後半、ちょっと間延びした感じ、せえへんかった?」
「そうそうそう!なーんかちょっと緊張切れたみたいな、だらっとした感じした」
「そうそうそうそう!聴いてる方の緊張が切れたって感じやったな。オレもやけど」
「やっぱりさすがのリアム様でもアルバム一枚ではキツかったんかな、フェスは」
「ファンだけちゃうしな、観てるの」
「これがノエルやったらオアシスのカバーとか、サクっとやるんやろうけど」
「リアムはやらんやろ。意地でもやらんやろ」
「やろ?そしたらビートルズでもWhoでもキンクスでもええから、ちょっとカバー1曲ぐらい挟むとか」
「There She Goesとかな」
「そういえばかかってたな、出てくる前。相変わらず選曲のセンスええわ。めっちゃ好きやわオープニングのSE」
「誰が選んでるんやろ、あれ」
「そらリアム様やろ」
「それをやってくれたらええのに」
「けどさ、来月やろ、単独」
「そやねん!来月やねん。来月っちゅうか、2週間後ぐらい?」
「早っ」
「…やっぱりこんなんなんかなぁ。それやったらちょっとなぁ」
「…続けて二回こんな感じやったらなぁ。しんどいなぁ」
(などと偉そうなことを言いまくっていた浅はかなオレとツレは、その約2週間後、衝撃にぶちのめされることになるのだがそれはまた別の話である)

うーむ、うーむと二人揃ってほとんど神様目線で唸りながらも、オレとツレは丘の上ステージ、いわゆるマウンテンステージを目指した。
なぜならそこにはアヴリルがいるから!

別にファンではないし(どころか、オレがまともに知ってるのは1曲だけだ!)、まるで予定もしてなかったのだが、「せっかくなのでアヴリル観たい」というツレの意見に「まぁ確かにせっかくやし」となぁなぁな態度で、こうして丘の上にやって来たのである。
人、多いじゃないか。
パフュームほどじゃないが、それでもかなり後ろの方までぎっしりである。
そして女子率高い。
なんやかんや言うてもアヴリルはアヴリルなのだな、と変な感心しながらステージを観る。
やはりアヴリル目の周り黒い。
あのメイクそろそろええんちゃうの、とオレなどは無責任に思ったりするのだが、ご本人的にはどうなんだろう。
鼻筋もきゅっと通ってるし、もったいないもったいない…と拝みそうになってると、ツレがぼそっと(実際にはぼそっと呟いても聞こえないのでかなり大声で)
「…声、出てない」
確かに。
1曲しか知らんくせにこう言うのもなんだが、確かに声出てない気がする。
と頷きつつ隣を見たら、ツレ踊っとる。
ご機嫌さんである。
そしてオレはと言えば、比較的固まっていた。
だって知らんし、曲。
てゆうか、今やってるのとその前にやってた曲が同じに聞こえる。
ご機嫌さんなツレに聞いてみる。
「なんか曲が同じに聞こえんねんけど!」
「まぁそんなもんちゃう!」
ライブ中なので結構大声である。
隣にいたのがもし大ファンの人だったらごめんなさい。
この場を借りて謝罪しておきたい。
曲全部一緒やん、まではそのときは言ってませんが、まぁそれに近い暴言吐いてたのでごめんなさい。

ということはつまり、ビーディアイの曲を初めてあの場で聴いた人も、そんな風に思ったのではないか。
アルバム結構聴いてたはずのオレでも、途中からどれが何?って感じになったしな。
初めて聴いたらそんな気分になるわな。
やっぱりフェスはヒット曲があると強いな、とりあえず。
と意外なところからビーディーアイ疑惑に決着を得たころ、ステージではPV的な映像が流れて、それに合わせてインスト的な曲が始まってしまった(この辺は記憶が曖昧)。

「…これってどうなん」
「…疲れてるんちゃう、声出てへんし」
「…ふーん。まだ観てる?」
「…いや、もういい」

というわけでさっきまで嬉しそうに乗りまくっていたことなどすっかり忘れた顔したツレと、サクサクと丘を下りていく。
向かった先はまたもオアシスである。
どれだけオアシスラブ!やねん。
と突っ込まれてもしゃあない。
これから晩飯食うんだから。
晩飯食ってアイツらを観るのだ。

かなり本気のトンコツラーメンを食って、かなり本気で満たされたオレらは、本日トリのステージにいた…トリ、とか書くとなんか雰囲気が違うな。
メインアクト?
あぁヘッドライナー!
そうそう、ヘッドライナーが出てくるのを待っていた。
言わずと知れたThe Strokesである。
ということはつまり、いまだにオレが4枚目のアルバムを聴き返さないままの、The Strokesなのである。

「新譜聴いた?」
「一応」
「…なんかさ、イマイチっぽくなかった?」
「…ちょっと違うよな」
「あれやられたらなぁ、速攻で帰るわ」
「やろ?オレもそう思っててんけどな…」
と思わせぶりな間を取るオレ。
「信頼できる筋からの情報によるとな、まぁいわゆるツイッターやねんけどな……どうやらファーストメインらしいで」
「ウソ!マジ?おお、それは観たい!絶対観たい!」
「やろ?オレも『Last Night』と『Someday』が聴けたら泣くかも知れんわ」
「…それは引くけど」

そして始まってしまった。
The Strokesである。
思えば、オレが彼らの3枚目のアルバムを封印から解いて再び聴きだしたのは、確かフジロックでのライブ映像を観てからである。
そのとき観た「Heart In A Cage」が余りにもカッコ良すぎて、確かその年の「我が心のベスト10アルバム部門」で1位か2位にまで登り詰めたのではないか。
一時は封印したアルバムが。
そんな個人的にはややこしい因縁というか邂逅というか再会を果たしたバンドなのだがストロークスというのはオレにとって、だから今回もちょっとは心に期するところはあったのである。
ライブで聴く4枚目の曲がものすごくカッコ良かったら。
オレの中ではすでに微妙な棚に置かれてしまったあの4枚目を、もう一度手にとって陽の当たる場所へと連れ出して、なんだったら「2011我が心のベスト10アルバム部門」にノミネートするのもやぶさかではない、なんて思ったりもしていたのだが。
ファーストメインである。
となると話はちょっと別である。
これはもう聴かねばなるまい。
観ねばなるまい。
当時としては余りにも音がスカスカすぎて不安になりつつも衝撃だったあのファーストをライブで聴けるなんて、幸せ者だろう、これは!
そして始まってしまった。

「Is This It」
と今書くと、某ポップスターの映画のタイトルみたいだが、このイントロが鳴ったときは、ほんとに来て良かったとしんみりした。
いやしんみりしている場合ではない。
なんか音が厚い。
アルバムで聴いた、あのストロークスの音なのに、なんだかすごく音が厚い。

「すごいな。やっぱりカッコええな」
「カッコええ。マジやな」
「おお。何がマジなんかわからんけどな。とりあえず音がえらい厚い」
「やっぱりファーストはカッコええな。オレとしては3枚目の曲もやってほしいけどな。けどそれで『Someday』と『Last Night』外されたら暴れるけど」

などとアホなこと言うてる場合ではないのである。
ステージはほんとにファースト中心で、ぱらぱらとセカンドを挟んで、たまに4枚目(と書いてオレは問題作と読む)の曲も挟みつつ、カッコよく進んでいく。
そして中ほど。
「Someday」が来た。
イントロ聴いたらトリハダである、もう。
なんでか、ファーストの中でもこの曲と「Last Night」が大好きで大好きで、何がどう好きとか上手く説明できないのだが、とにかく琴線がビリビリ震えるというか、なんかこうブワッとビジュアルが浮かんでくるというか、つまりひとことでいうとやっぱりカッコいいのである、もう!

で、まぁ間思いっきりすっ飛ばして、そろそろエンディング近い?ということはアレは?ここまで来たらアレも聴きたい聴きたい聴きたい!と頭の中で駄々をこねていると、オレにとっては超お馴染みのあのイントロが!
「Last Night」が来た。
ああもう。
たらまん。
多分その瞬間は、パフュームもYUIもThe Ting Tingsのお姉ちゃんも赤いカエラも全部ぶっ飛んでいた。
だが始まりがあると終わりがあり、当然ながら「Last Night」も終わってしまった。
まぁ「Last Night」と「Someday」に関しては、それぞれあと2回ずつぐらいやってもらっても一向に問題ないのだが、やはり今回はそんな駄々をこねても通るはずもなく、ストロークスのライブも終わってしまった。

今年のサマソニが終わってしまった。

The Strokes@Summer Sonic 2011 Osaka
01. Is This It
02. New York City Cops
03. Under Cover Of Darkness
04. The Modern Age
05. Reptilia
06. Someday
07. Life Is Simple In The Moonlight
08. Alone Together
09. You Only Live Once
10. 12:51
11. You're So Right
12. Under Control
13. Hard To Explain
14. Automatic Stop
15. Last Night
16. Take It Or Leave It

…とか感慨にふけっている場合ではない。
帰らねばならない。
一斉に動き出そうとする人の大波のできるだけ先っちょの方に乗っかって、可及的速やかに舞洲から脱出せねばならぬ。
だって果てしなくバスを待つのは嫌いだからだ。
往きはいいんだ、テンション上がってるから。
でも帰りはやだ。
そんなわけでバス乗り場まで早足なので、会話も早口である。

「マジやったなストロークス」
「何がマジなんかわからんけどな。とりあえずマジなセットリストやったな」
「だから何がマジなんかわからんけどな。ほんまにファーストメインやったな。観れて良かったぁ」
「オレはもう『Someday』と『Last Night』が聴けたから、元が取れたな、今日の。あ、でもサードからほぼやれへんかったやん?これで「Juicebox」と「Heart In A Cage」やってくれたら拝んだな、ジュリアン」
「オレはファーストがあれだけ聴けたら、もう後はどっちでもええけど」
「それはそうとさー、ジュリアン酔ってた?」
「そうそうそう!なんか酔ってるみたいな喋り方やったな!いつもそうなん?」
「知らんて。ツレちゃうし。ニューヨーカー?」
「ニューヨーカーってみんなあんな酔っぱらってるみたいな英語喋るの?」
「なんか口の中でもごもご喋るようなイメージはあるけど。けどジュリアン、自分で喋ったことに一人で受けてたし。酔っぱらい?とか思ってんけど」
「けど最後まで普通に歌ってたしな。そういう喋り方なんか、ご機嫌さんやったんか、どっちかちゃう?」
「まぁご機嫌さんやってんやろな。良かった良かった」
「リアムもご機嫌さんやったしな。良かった良かった」

そしてオレとツレも、サクサクと帰りのバスに乗れて良かった良かった。

「けどさぁ……YUIかわいかったな」
「……かわいかったな」

あぁ、今年のサマソニが終わってしまった。
20:36 | LIVE | comments(4) | trackbacks(0)
SUMMER SONIC 2011その4
とにかくサマーソニックである。
…とかいつまでも言うてる場合ではない。
世間はすっかり9月である。
困った。
ここまで引っ張ってしまう結果になろうとは、ちょっと予想できなかった。
だいたい計算が甘いのである、いろんなとこで。
まぁそれは置いておくとして、どうしよう、9月だ。
と困りながら、ロッキングオンを読んでみた。
9月1日発売、10月号、サマソニとフジの特集号。
おおそうか。
雑誌がこうして9月に入ってから堂々と夏フェス特集号を出すのなら、オレがまだサマソニ特集を続けていても問題ないということじゃないか!
しかも次の号が出るのは10月1日だ。
ということは、少なくとも今月いっぱいは夏フェス特集が店頭に並んでいるわけで、その間はどこに臆することなく、サマソニ特集を続けていても問題ないということじゃないか!
こうして素晴らしい言い訳を手にしたオレは、再び夏のあのファッキン暑い一日へと戻っていくのである。

さてこちら、片仮名で書くとちょっと微妙な感じになるThe Ting Tingsのステージである。
前回思わせぶりに終わらせてしまったThe Ting Tingsのステージである。
思わせぶりに書いたわりには、多分ほぼネタは割れているのである。
なぜならThe Ting Tingsは男女二人組だからだ。
となると目的はひとつである。
そう、オレの目はもうずっとフロントのお姉ちゃんに釘付けなのだ。
ということはつまり、何が言いたいのかすでにおわかりだと思う。
だが敢えてここでも言っておきたい。

かわいい。
だがそれ以上に重要なのは、カッコいい。
The Ting Tingsのフロントのお姉ちゃん、予想以上にカッコいい。
ギターをガリガリ掻き鳴らしながらマイクに立ち向かっていく姿が、とてもカッコよろしい。
というわけで、名前を調べてみた(今さら)。
ケイティ・ホワイト。
名前までカッコよく見えてくるから不思議だ。
実際、彼女らのやってる音楽も、アルバムで聴くよりポップでアグレッシブでオルタナティブで且つキュートでスマートで、とりあえず思いついたカタカナを全部並べてみたが、それをひとことで言うと思ってた以上にロックで、なんかものすごく次のアルバムを期待してしまう(ファーストの曲もあちこちのDJセットで使いたくられてるし、そろそろセカンド出てもいいんじゃないだろうか)。
そんなカッコいいケイティ(と敢えてここはファーストネームで呼んでみる。照れる)の姿を2〜3曲ほど眺めてから、トイレに向かおうとしたそのとき!

オレの耳に飛び込んできたのは!
カンペ片手にたどたどしい日本語で、皆さんにご挨拶するケイティ(照)の姿であった!

か、かわいい。

思わず相対性理論の曲を口ずさんでしまったぐらいLOVEずっきゅんとはこのことである。
なにがかわいいって、たどたどしいところがかわいい。
あの見た目で(COOL!)、カンペ片手で、しかも日本語たどたどしいって…やばい、変なスイッチが入ってしまったじゃないか。
それほどのある意味衝撃を食らって、オレはトイレに行くのも忘れて、その場に立ち尽くした。
そしてその後も彼女ら、というよりほぼ彼女から目が離せず、と言っても腐っても音楽好きなのでもちろん音楽もしっかり最後まで楽しませていただいた(ついでにトイレにも行った。MC終わったら速攻で)。
きっかけはどうあれ、なんだかようやくまともにライブを楽しんだっぽい感じだが、そんな細かいことはもちろん気にしてはいけない。
楽しみ方なんて人それぞれだからな。
払った金額に見合っていれば、3曲しかパフューム聴かなくても(と言うか観なくても)、1曲しかYUI観なくても、本人が満足してるならそれがオレにとって正しいフェスなのである。

などと熱く語っていたら、当時のオレも何だかちょっと暑さにうだってきたので、またもやオアシスに向かう。
休憩しに来てるのかライブ観に来てるのか、なかなか微妙なスタンスである。
が、これだってオレにとっ(割愛)。
さて、次どうしよう。
ステージが減ると、こんなときちょっと困る。
前まであった一番小さいステージ(確かパークステージ?)、ぶらっと行って、ちょっと観て、またぶらっと出てきて、みたいな、あれこそフェスって感じで楽しかったのに。
まぁ無い物ねだりしてもしゃあないので、とりあえず周りの人がやたら美味そうに食ってたマンゴーかき氷を食べてみる。
美味い。
で、閃いた。
これを食いながら、ケミストリーを聴くというプランはどうか。
丘の上を吹き抜けていく風、耳には心地よいミドルテンポのハーモニー(しかも上手い)、喉を滑り落ちていくマンゴー風味の氷の粒たち。
おお、すばらしいプランだ。
このくそ暑い、いや失礼、思わず汚い言葉を使ってしまった。
もとい。
このファッキン暑い舞洲が、高原リゾートへとみるみる変わって行くようだ。
そうと決まればケミストリーだ。
うーむ。
まさかケミストリー聴くことになるとは、しかも「夏草の〜」とかいう曲ぐらいしか知らんけど(タイトルは知らない)まぁいいか。
しゃりしゃりかき氷食いながら、いそいそと丘の上を目指す。
着いた。
おお!

人が少ない。

パフュームの時の1/3、とまでは言わないが、ほぼ半分弱ってところじゃないか。
これはよろしい。
ケミストリーには申し訳ないが、舞洲高原リゾート化計画にはもってこいの混み具合である。
だが少し早く着きすぎてしまったようだ。
かき氷が終わってしまった。
舞洲高原リゾート化計画に、早くも計画見直しを迫られる。
しょうがないので水買ってきて、「喉を滑り落ちていくマンゴー風味の氷の粒たち」から「「喉を滑り落ちていく清々しいミネラルウォーター」へと変更、やがて始まるであろうゆったりとした音楽という時の流れを待つ。
ただ、さっきから何となく気になることがひとつ。
ステージ中央にDJブースがあるのだ。
DJブースが、なんとなくオレが知ってるケミストリーのイメージではないような。
まぁでもライブ自体というか、ケミストリーの曲自体まともに聴くのは初めてだしな、もしかするとそういうスタイルでライブやってるのかも知れないしな。
などと考察を巡らせていると。

登場ジングルが鳴り、歓声が上がって、ご本人たち登場。
おお、男前だ。
二人とも(ケミストリーが二人ってことぐらいはさすがに知ってる)、えらい男前だ。
オレの周囲の男どもから「男前−!」という声が飛んでいる。
同感。
線の細い方は岡田准一みたいだし、線の太い方も、細マッチョな金髪になって、ちょっと本田圭佑みたいである。
そうか、ケミストリーは二人とも男前だったのか!と感動していると、なんか二人の後ろにも何人かいる。
そしていきなりBPM128ぐらいで曲が始まった、と思ったら、踊っとる!
後ろの人たちはどうやらダンサーらしい。
まぁそれはいいのだが、前の男前二人も同じだけ踊っとる!
え?
ええー!
ケミストリーって踊るの!?
てゆうか、何この東方神起というかビッグバンというかスーパージュニアというかビーストというか超新星というか、なんでこんなにケイポッパーな名前知ってるのかとか突っ込まないでください、とにかくケイポップちっくなダンスナンバー(死語)は!
心地よいミドルのハーモニーはどうなったのだ!
オレの舞洲高原リゾート化計画をどうしてくれるのだ!
と若干ぷんすかしつつもステージを観る。
なんだかんだ言うても、ステージは観る。
ふーん。
ダンス上手いな二人とも。
なんか最近あんまり見かけんと思ったら、こういうことになってたのね。
だからDJブースが必要だったのね。
でもまぁなんちゅうか、ちっちゃいエグザイルやな。
それでもこういう方向に行かんと、この先しんどいんやろな。
まさかこんなところで世知辛い社会を垣間見ることになるとは思わなかった。
それにしてもダンス上手いな。
それでハモるって、これはこれですごいな。
いつのまにか若干肩入れしつつ、踊るケミストリーを観てると、ようやく3曲目辺りでミドルなのをかましてくれた。
しかもオレが唯一知ってる「夏草の〜」という曲である(タイトル言ってくれたけど、長くて覚えられなかった)。
おお、考えたらフルで聴くのは初めてじゃないか!
なんか、いい曲かも、これ。
なんでも聴いてみないとわからないものである。
反省。

だがいつまでも反省している場合ではない。
オレは先へ進まねばならない。
後ろを振り向いている暇などないのだ。
と、書いててやっと思い出した。
ケミストリーの「夏草の〜」という曲、「なんとか・オブ・ノーリターン」ではなかったか?
確かそうだ。
MCでもそんな感じの単語並べて曲紹介してた気がする。
なんとか、の部分は多分一生思い出せそうにもないので、もう「ナツクサ・オブ・ノーリターン」という曲名にしておく。
そういうことにしておこう。
ケミストリーにとっては迷惑な話だが、オレはそれで何の問題も発生しないのでオールオッケーである。
めでたしめでたし。

というわけで、オレは急いでいる。
いっちゃんおっきなステージ、いわゆるオーシャンステージに向かって急いでいる。
なぜならそこでは木村カエラが待ってるからだ!

待ってるわけもなく、それどころかすでにライブは始まっていた。
なんか結構な人出だ。
みんなそれほどまでにカエラが観たいのか。
安心してくれ、オレも観たい。
そして、おお、赤い(髪が)。
その上丸くて(髪型が)、しかもちっちゃい(頭が)。
赤くて丸くてちっちゃいのが、スカートはためかせてステージに君臨している。
これはかわいい。
いちいち言わなくても間違いないのだが念のためもう一度言っておくと、間違いなくかわいい。
これでオカンなのである。
そして当然だが人妻………

……おっと、今頭の中で違うスイッチが入りそうになってしまった。
そんな地雷を踏んでる場合ではない。
ステージではカエラ熱演中である。
赤くて丸くてちっちゃい頭が、やっぱりスカートはためかせてあっち行ったりこっち来たり。
なんとなくこっちに来る回数が少ないような気がするけど、気のせいだきっと。
だがここでオレはとっても大きな問題にぶつかってしまう。

オレは、木村カエラの曲をほとんど知らない!
だからなのか。
さっきからどれも同じ曲に聴こえてしゃあないのは。
とりあえずアップテンポでギターがぎゃんぎゃんで、なんか英語のような日本語のような歌詞が乗る。
カエラ赤い頭振り振り歌う。
認識できてるのはそこだけだ。
観たままやん。

というわけで、3曲ほど観たところで、集中力が切れてきてしまった。
オレとしたことが。
もちろん、飽きたのではない。
そんな失礼なこと言ってはいけない。
あくまでも集中力が切れただけだ。
飽きたのでは決してない。

まぁ集中力切れちゃったらしょうがないね。
気分転換も大事なことだからね。
しかもこんな炎天下だからね。
お体ご自愛くださいね。

ご自愛ラブなオレはここで重大な決断を下すことにした。
休憩、である。

残念だけどカエラ、僕らはもうこれ以上一緒にはいられない。
君とはほんの少しの時間だったけど、こうして一緒に過ごせて楽しかったよ。
さぁ、僕はもう行かなくちゃ。
ありがとうカエラ。
瑛太とお幸せにね。

こうしオレは、カエラが熱唱する「バタフライ」に送られながら、サマソニの表舞台から一旦姿を消したのである。
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